犬の寿命は何歳?どんな犬種が長生きするのか?

犬種別平均寿命

一口に「犬」といってもその種類は多く、非公認のものも含めれば世界で700~800の犬種が存在するといわれています。大きさも顔も体型も様々なこれら犬種。寿命に関しても犬種によって大きな差があります。

一般的には小型犬の方が長生きするといわれていますが、実際のところはどうなのか?また、その説が本当だとして、小型犬の中でも長生きする犬種や短命な犬種といった差があるのか気になるところ。

ここでは犬種別の寿命はもちろん、犬の寿命に関するデータなどを様々検証していきたいと思います。

ご自分が飼っている犬、これから飼う予定の犬の寿命を知り、愛犬への接し方や心構えの参考にしてもください。

東京都獣医師会霊園協会の犬の寿命調査

犬種別の寿命について、詳細なデータを発表しているのは日本において東京獣医師会霊園協会とアニコム損害保険株式会社の2つ。また、やや大雑把ながらアメリカの寿命調査も存在します。

まずは55犬種を対象にした東京獣医師会霊園協会の寿命調査を見てみます。この調査は13,516頭を対象に行われているだけあって信頼性が高いものとなっているのが特徴。

犬種 平均寿命
柴犬 15.1
ビアデッド・コリー 14.9
ビション・フリーゼ 14.9
MIX犬 14.6
ダルメシアン 14.5
シー・ズー 14.3
ビーグル 14.1
ケアーン・テリア 14.0
ヨークシャ・テリア 13.9
甲斐犬 13.9
パピヨン 13.9
日本スピッツ 13.9
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア 13.8
アイリッシュ・セッター 13.7
マルチーズ 13.7
ポメラニアン 13.6
シェットランド・シープドッグ 13.6
ラブラドール・レトリーバー 13.5
シベリアン・ハスキー 13.5
ミニチュア・ダックスフンド 13.5
ワイアー・フォックス・テリア 13.4
ペキニーズ 13.4
サモエド 13.4
イングリッシュ・コッカー・スパニエル 13.3
ウェルシュ・コーギー・ 13.3
イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル 13.0
トイ・プードル 13.0
ミニチュア・シュナウザー 12.8
ダックスフンド 12.8
カニーンヘン・ダックスフンド 12.8
ボーダー・コリー 12.7
スコティッシュ・テリア 12.6
ミニチュア・ピンシャー 12.5
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル 12.4
スタンダード・プードル 12.4
ゴールデン・レトリーバー 12.3
アメリカン・コッカー・スパニエル 12.3
イングリッシュ・セッター 12.3
12.3
パグ 12.0
ジャック・ラッセル・テリア 11.8
ノーフォーク・テリア 11.8
チワワ 11.6
秋田犬 11.6
ボルゾイ 11.3
ジャーマン・シェパード 11.1
バセンジー 11.1
フラットコーテッド・レトリーバー 10.9
イタリアン・グレーハウンド 10.9
ボストン・テリア 10.7
バーニーズ・マウンテン・ドッグ 10.5
ニューファンドランド 10.4
フレンチ・ブルドッグ 10.2
ブルドッグ 9.9
ドーベルマン 9.8

今飼っている、もしくはこれから飼う予定の犬種は入っていたでしょうか?

一般的に体が大きい大型犬より小型犬の方が長生きするとされており、このデータからもその傾向が読み取れると思います。

しかし、中型犬寄りの大型犬であるダルメシアンやアイリッシュ・セッター、ラブラドール・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなどの大型犬が上位に入っていることも。

逆に小型犬であるボストン・テリアやパグ、チワワ、ジャック・ラッセル・テリアが下位にランキングされるなど、必ずしも体の大きさで寿命は量れないことを示唆しています。

確実なのは短頭種は寿命が短いという点。

代表的な短頭種であるブルドッグやフレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストン・テリア、狆などは軒並み下位にランクインしています。短頭種とまではいかなくても鼻が短いチワワも平均寿命は11.6歳と短命。

唯一の例外としてシー・ズーが上位にランクインしているものの、短頭種の寿命が短い傾向にあることは疑いようはありません。

ちなみにこの調査での全頭の平均寿命は13.4歳となっています。

アニコム損害保険株式会社の犬の寿命調査

続いてペット保険などを展開するアニコム損害保険株式会社の犬種別寿命調査も見てみましょう。発表されているのは上位20位までとなっています。

この調査の対象は299,555頭と母数が非常に多いだけに、前述した東京都獣医師会霊園協会のデータより信頼性が高いと見ていいのかもしれません。

犬種 平均寿命
イタリアン・グレーハウンド 15.1
ミニチュア・ダックスフンド 14.7
トイ・プードル 14.7
柴犬 14.5
パピヨン 14.4
ジャック・ラッセル・テリア 14.3
MIX犬(10kg未満) 14.3
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア 14.2
カニーンヘン・ダックスフンド 14.0
MIX犬(10kg以上20kg未満) 13.9
ヨークシャー・テリア 13.8
チワワ 13.7
シー・ズー 13.6
ミニチュア・ピンシャー 13.6
ポメラニアン 13.4
ビーグル 13.3
ミニチュア・シュナウザー 13.2
マルチーズ 13.0
ラブラドール・レトリーバー 12.8
アメリカン・コッカー・スパニエル 12.8

東京都獣医師会霊園協会のデータと比べてかなり違う点がありますね。

東京都獣医師会霊園協会の犬種別寿命調査では下位だったイタリアン・グレーハウンド(10.9歳)やジャック・ラッセル・テリア(11.8歳)、チワワ(11.6歳)がここでは上位にランクインしています。

一方で柴犬やMIX犬、シー・ズーなどは前述調査と同様に安定の上位。全頭の平均寿命は13.7歳とこちらも大差ありません。

また、上位20位以内にシー・ズー以外の短頭種がランクインしていないのも同様。こちらでも短頭種の寿命が短いことが示される結果に。

アメリカの寿命調査では?

アメリカでは同国の愛犬家団体であるAKC(アメリカンケネルクラブ)に登録されている犬の人気上位25位までの平均寿命を発表しています。

前述2つの日本のものと違い幅を持たせているやや大雑把なものですが、参考までに見てみましょう。こちらはAKCの人気順なので平均寿命的には順不同です。

犬種 平均寿命
ラブラドール・レトリーバー 11歳
ジャーマン・シェパード 11歳
ゴールデン・レトリーバー 11歳
フレンチ・ブルドッグ 8~10歳
ブルドッグ 8~12歳
ビーグル 12~15歳
プードル 12歳
ロットワイラー 9歳
ヨークシャー・テリア 13~20歳
ドイツ・ショートヘアード・ポインター 12~14歳
ボクサー 9~10歳
シベリアン・ハスキー 12~15歳
ダックスフンド 13~15歳
グレート・デーン 6~8歳
ウェルシュ・コーギー 12~15歳
ドーベルマン 10~13歳
オーストラリアン・シェパード 12~18歳
ミニチュア・シュナウザー 12~14歳
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル 9~14歳
シー・ズー 12~16歳
ボストン・テリア 11~15歳
ポメラニアン 14歳
ハバニーズ 14~16歳
シェットランド・シープドッグ 12~13歳
バーニーズ・マウンテン・ドッグ 6~8歳

日本のデータに比べ短命なもの、寿命が長いもの存在します。犬種に関しても日本絵は馴染みの薄いものがいくつか存在しますね。

ただ、かなりの大型犬であるグレート・デーンやバーニーズ・マウンテン・ドッグの平均寿命が7歳というのは衝撃です。

バーニーズ・マウンテン・ドッグは東京都獣医師会霊園協会のデータでは10.5歳であることから、獣医師の医療レベルなども関わっているのかもしれません。

「小型犬が最も長生き」の根拠とデータ

一般的に犬は体が小さい犬種の方が長生きするとされます。

犬の年の取り方は1歳で人間の16歳に相当し、2歳で人間の24歳、その後は1年ごとに人間換算で4歳ずつ年を取るとされます。しかし近年は小型犬と大型犬で年の取り方が違うというのが一般的。

下表は人間年齢への換算表。

年齢 小型犬 中型犬 大型犬
1歳 15 15 15
2歳 24 24 24
3歳 28 28 28
4歳 32 32 32
5歳 36 36 36
6歳 40 42 45
7歳 44 47 51
8歳 48 51 56
9歳 52 56 62
10歳 56 60 67
11歳 60 65 73
12歳 64 69 78
13歳 68 74 84
14歳 72 78 89
15歳 76 83 95
16歳 80 87 100

これを見ると昔から言われていた「1年に4歳ずつ年を取る」というのは小型犬のみが対象。大型犬にいたっては6歳以降1年ごとに5歳以上年を取る計算に。

犬は小さければ小さいほど長生き?

これを見る限り犬は体が小さければ小さいほど長生きする傾向にあるように感じるかもしれません。しかしアニコム損害保険株式会社の体重別平均寿命調査ではちょっと興味深いデータも。それがこちら。

超小型犬
(5kg以下)
小型犬
(5~10kg)
中型犬
(10~20kg)
大型犬
(20~40kg)
超大型犬
(40kg以上)
13.8歳 14.2歳 13.6歳 12.5歳 10.6歳

予想に反して超小型犬より小型犬の方が寿命が長い結果に。必ずしも小さければ小さいほど良いというわけではなさそうです。とはいえその差は0.4歳。誤差の範囲内と呼べるのかもしれません。

それ以外はここでも大型になればなるほど短命になる傾向が示されています。

犬の平均寿命は延びている

1980年頃は犬の寿命は数年でした。

外飼いが当たり前だったうえに予防接種やフィラリア予防が普及していなかったため、どうしても短命だったのです。

しかしその後予防接種やフィラリア予防が浸透するにつれ犬の平均寿命は延び、2000年頃には14歳前後に到達。その後は横ばい~緩やかな上昇傾向を続けています。

犬の寿命の推移

犬の全体的な平均寿命は当面14~15歳くらいが限界と思われます。これを短いと見るか長いと見るかは人それぞれかもしれません。

犬の寿命のまとめ

愛犬とは少しでも長く一緒にいたい。これは飼い主の共通した願いだと思います。それを物語るように犬の飼い方や健康・医療は進歩を続け、現在は15歳を超える犬も珍しくなくなりました。

しかし、犬の寿命が延びれば飼う人間側もそれを考慮した計画が必要になります。愛犬が15年前後の寿命を全うするまで責任をもって飼えるのかをよく考える必要が出てくるのです。

生活環境の変化によって飼えなくなってしまうこともあるでしょう。しかしこれから特に大きな問題になりそうなのが飼い主の高齢化です。

仮に人間が60歳から飼い始めれば75歳くらいまで責任をもって飼えるかどうかを自身に問う必要が。そのくらいの年齢になれば飼い主の健康にも様々な問題が出てくる可能性も。

「老後が寂しいから」という安易な理由で犬を飼い、万が一飼い主が先に逝ってしまうような事態になれば愛犬に同じ思いをさせることに繋がります。

犬の寿命が延びていること自体は喜ばしい…しかしそれは同時に飼い主の責任が増えることを意味している点も考慮しておく必要があるでしょう。

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