愛犬が人を噛んだ!殺処分になる可能性は?

愛犬が人を噛んだ際の殺処分の可能性

愛情を持って飼っていても、しつけを失敗したりその子が本来持つ性格などによって噛み癖がどうしても直らない場合があります。

飼い主を甘噛みしているだけならまだしも、他人や他人が飼っている犬を噛んだとあれば一大事。最悪の場合裁判になったり保健所に届けなければならない事態に。他人を噛んでしまったばかりに殺処分になってしまったという話も見聞きします。

愛犬が他人を噛んでしまった場合殺処分は免れないのか?どういった場合に殺処分になってしまうのか?

法律や条令も含め詳しく解説します。

犬が人を噛んだ場合は届け出る必要がある

自分が飼っている犬が他人を噛んでしまった場合、当事者間での話し合いにより治療費などを支払う…と考えている人もいるかもしれませんが、多くの場合自分が住んでいる自治体に対し速やかに届け出る必要があります。

それは県や市ごとの条例によって定められており、多くの自治体ではこういった条例があります。下記は鳥取県の例。

第17条 特定動物又は犬の飼い主は、その飼育する特定動物又は犬が人の生命又は身体を侵害したときは、適切な応急処置及び新たな事故の発生を防止する措置をとるとともに、その事故及びその後の措置について、規則で定めるところにより、直ちに知事に届け出なければならない。

2 犬の飼い主は、その飼育する犬が人をかんだときは、直ちに狂犬病の疑いの有無について当該犬を獣医師に検診させなければならない。

これは鳥取県のみならず多くの自治体において同様の条例が施行されています。

つまり、自分が飼っている犬が人を噛んだ場合には、その県の知事に届け出るとともに獣医師に狂犬病の有無を確認する必要があるのです。

「知事にどうやって報告するんだ?」と疑問に思う人もいるでしょう。具体的には県の保健所や動物愛護相談センターに届け出ることがこれに該当します。

条例によって定めれらていることから、当事者間での話し合いのみならず公的な機関へ届け出を行う必要があるのです。

とはいえ、多くの場合当事者間のみで治療費や休業補償などの話し合いが行なわれるというのが現実ですけどね。厳密には保健所や獣医師の診断が必要になるということを覚えておいてください。

条例で噛んだ犬の殺処分を命じる場合も

当事者間での話し合いがこじれ、噛まれた側が保健所や動物愛護相談センターに届け出る場合もあるでしょう。そういったケースでは愛犬の殺処分の可能性もゼロではありません。

というのも、東京都や群馬県などの条例では下記のように定められているから。

(措置命令)
第十六条 知事は、動物(特定動物を除く。以下同じ。)が人の生命、身体又は財産を侵害したとき又は侵害するおそれがあると認めるときは、当該動物の飼い主(第四号の措置にあつては、所有者とする。)に対して期限を定めて次に掲げる措置を命ずることができる。
 一 飼養施設を設置し、又は改善すること。
 二 動物を飼養施設の中で飼養し、又は保管すること。
 三 動物に口輪を付けること。
 四 動物を殺処分すること。
 五 その他動物による人の生命、身体又は財産の侵害を防止するために必要な措置を採ること。

つまり犬が他人の生命や身体、財産を侵害する恐れがある場合、知事の権限によって殺処分を命じることができるということ。

この条例を制定している自治体は多くないものの、お住まいの自治体によっては愛犬が他人を噛むことによって殺処分を命じられる可能性があるのです。

殺処分を命じられる可能性は低い

とはいえ、「他人を噛んだ=殺処分」では決してありません。

かなり重度の怪我であった場合はまだしも、ちょっと怪我したくらいで殺処分になる可能性は低いのです。

保健所や動物愛護相談センターに届け出た後は再発防止策を講じることになります。よほどひどい咬傷事故でもない限り殺処分になることはないと思っていいでしょう。

しかし、複数人を噛んだ場合や傷が酷い場合、被害者が殺処分を強く望み保健所に訴えかけている場合は殺処分になる可能性があることも忘れないでください。

愛犬が人を噛んだらいくらくらい請求されるの?

愛犬が他人を噛んでしまったとしても殺処分になる可能性は高くありませんが、噛まれた人に対する治療費や交通費などは飼い主が負担する必要があります。

その際どのくらいに額を請求されるのか?

これはもうケースバイケースとしか言いようがありません。入院が必要になり、かつ通院が長引けばその分治療費や交通費、休業補償はかさむことに。慰謝料も発生するため場合によっては100万円を超えるケースも。

ちょっとした傷程度であれば数万円で済みますが、状況によっては高額な治療費や慰謝料が発生することを覚悟しておく必要があります。

対象は人間だけとは限りません。他人が飼っている犬を噛んでしまったり所有物を傷つけてしまったりした場合においても補償する必要が。

犬を飼うということはそういった責任やリスクが伴うのです。

ペット保険の加入も視野に

愛犬が他人を噛んでしまい高額な治療費や慰謝料を支払う必要が…だけどそんなまとまったお金は持っていない…そういったリスクに対応するためペット保険に入るという手もあります。

高額になりがちな犬の病気の治療費を賄うイメージがあるペット保険ですが、保険会社によっては犬が起こした事故に対応する賠償責任特約を用意している場合があります。

具体的にはアクサダイレクトやアニコム損害保険が上限1000万円、アイペット損害保険が上限500万円など。いずれもペット保険のオプション扱いであり、月々の費用は数百円程度。

これによって万が一の殺処分を免れることができるというわけではありませんが、高額な費用になりがちな咬傷事故の費用的な負担に関しては免れることができるでしょう。

愛犬に噛み癖がある、万が一の事態に備えておきたいという場合はペット保険の賠償責任特約を付けておくと安心なのではないでしょうか。

まとめ

愛犬が他人や飼い犬を噛んでしまった場合、最悪の場合殺処分になる可能性があります。しかしそれはよほど大きな事故での話。ほとんどのケースでは殺処分に至ることはありません。

とはいえ、軽い咬傷事故においても保健所や動物愛護相談センターに届け出る必要があります。同時に獣医師による狂犬病の有無の確認も。

加えて被害者に治療費や慰謝料、休業補償などを支払う必要があるなど、様々な手間や費用が必要になります。

万が一に備えペット保険の損害責任特約に入っておくという選択肢もあるものの、愛犬の噛み癖や殺処分になってしまうリスクなど根本的な部分は解決しません。

万が一のトラブルを避けるためには仔犬の頃から噛み癖をなくすためのしつけをしっかりと行うことが何より重要になります。

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