ハートガードプラスって安いけど効果あるの?
犬を飼ううえで絶対に欠かすことができないのがフィラリア予防。室外で飼っている場合3年で約95%の犬がフィラリアに感染するということからも予防がいかに重要かが見て取れます。
しかしフィラリア予防薬の出費は馬鹿にならないですよね。小型犬でも1ヶ月1,000円前後、大型犬ともなると1ヶ月1,500~2,000円かかり、それを6~8ヶ月間行う必要があります。
だからといって予防しないわけにもいかないし、毎年のように動物病院でカルドメックチュアブルや高価なネクスガードスペクトラを購入しているという人も多いのでは?
しかし、実は簡単にその費用を半分以下に抑える方法があります。そう、個人輸入でハートガードプラスを購入すればいいのです。
- ハートガードプラスは正規品
- ハートガードプラスの効果は?
- ハートガードプラスの副作用
- ハートガードプラスの価格
- 多頭飼いには分割という手も
- ネクスガードスペクトラと比較
- ハートガードプラスのまとめ
ハートガードプラスは正規品
動物病院などで処方されるフィラリア予防薬はカルドメックチュアブルやネクスガードスペクトラが大半を占めています。そのため「ハートガードプラス」と聞いてもピンとこないのではないでしょうか。
それどころか「胡散臭い薬」という印象すら抱くかも…しかし実はこのハートガードプラス、信頼性は折り紙付きなのです。
というのもこのハートガードプラスは多くの動物病院で処方されているカルドメックチュアブルと同じメーカーが同じ成分で作った姉妹品なのです。
上図を見ても分かるようにどちらもメリアル社製であることが確認できます。日本ではカルドメック、海外ではハートガードとして売られているという認識でいいでしょう。
ハートガードプラスはジェネリック医薬品ではなく先発メーカーの正規品ということで信頼性は非常に高くなります。そう、カルドメックチュアブルと全く同じ感覚で使用することができるのです。
ハートガードプラスの効果は?
ハートガードプラスの効果は犬糸状虫(フィラリア)の予防のほか犬回虫及び犬鉤虫の駆除となっています。
そのため、すでにフィラリアに感染している犬の血液中にいる成虫などには効果を発揮しません。このあたりはカルドメックチュアブルなど他のフィラリア予防薬と同様になります。
すでにフィラリアに感染している場合は、体内の成虫やミクロフィラリアの駆虫を行いつつ慎重に投与する必要があります。
ハートガードプラスやカルドメック、ネクスガードスペクトラなどはあくまでも予防薬。なぜならフィラリアは一度発症してしまうと完治が難しいため予防が何より重要だからです。
フィラリア感染の疑いがある場合は少しでも早く獣医師に相談するようにしてください。
ハートガードプラスの副作用
世の中の大半の犬が使用しているであろうフィラリア予防薬。それだけに非常に安全性高い薬ではあるものの、副作用がまったく存在しないわけではありません。
ハートガードプラスで確認されている副作用は以下の通り。
- 食欲不振
- 嘔吐
- 下痢
- 元気消失
- 歩様異常
- 痙攣
- 流涎
ただし、これら副作用は非常に稀な例です。実際私を含め犬を飼っている知人に話を聞いてもフィラリア予防薬によって副作用が出たという話は聞いたことがありません。
とはいえそこは医薬品。ハートガードプラスが多くの動物病院で使用されているカルドメックチュアブルと同じ薬とはいえ、「絶対に副作用は出ない」とは言い切れません。
万が一副作用が見られる場合は獣医師の判断を仰いだほうがいいでしょう。
コリー系への使用は要注意
基本的に安全性が高いハートガードプラスですが、コリー犬およびその系統の犬に投与する際は注意が必要になります。
というのもコリー系の犬というのは脳に異物が入らないようにバリアとして機能している血液脳関門の働きが弱い傾向にあるから。ちなみにコリー系の犬とは以下の犬種になります。
- ラフコリー
- ボーダーコリー
- スムースコリー
- アイリッシュコリー
- ビアデッドコリー
- シェットランド・シープドッグ(シェルティ)
そんなコリー系の犬に対しハートガードプラスやカルドメックチュアブルの主成分である「イベルメクチン」を高濃度で使用することで神経毒性を示す恐れがあるとされます。
とはいえハートガードプラスに使用されるイベルメクチンは低用量。コリー系の犬に投与したとしても問題が起きる可能性は極めて低いといえるでしょう。
どうしても心配というのであれば、ミルベマイシンを使用しているネクスガードスペクトラなどで代用したほうが安心。
ハートガードプラスの価格
ハートガードプラスを使用する最大の目的はお金がかかる愛犬への出費を少しでも抑えるためですよね。では肝心のハートガードプラスの価格とはいかほどなのか?
体重 | 内容量 | 価格 |
---|---|---|
~11kg用 | 6個 | 2,924円 |
12~23kg用 | 6個 | 3,135円 |
23~46kg用 | 6個 | 3,880円 |
輸入という形で購入するため、為替相場の変動により価格は多少上下しますが、小型犬用であれば6ヶ月分で約3,000円。動物病院ではカルドメックチュアブルPが6,000円前後することを考えると約半額で購入できることに。
特筆すべきは大型犬用。動物病院では1ヶ月分2,000円前後、6回分で約12,000円。それがハートガードプラスであれば約4,000円で収まるのですから、これを利用しない手はありません。
…これまで動物病院で購入していたのがちょっと馬鹿らしくなりますよね。
多頭飼いには分割という手も
動物病院でカルドメックチュアブルを購入するのに対し半額~3分の1程度の価格で済むハートガードプラス。しかしさらに安く済ます方法があります。
それは分割して与えるという方法。
まずはこれを見てください。下表は体重別に3種類あるハートガードプラスの成分含有量になります。
体重 | イベルメクチン | ピランテル |
---|---|---|
~11kg用 | 68μg | 57mg |
12~23kg用 | 136μg | 114mg |
23~46kg用 | 272μg | 227mg |
このように体重11kgまでの小型犬用の成分含有量を1とすると、中型犬用は2、大型犬用は4という比率になっています。つまり中型犬用であれば1個を2分割することで小型犬用2個分と同等に。
小型犬用と中型犬用の価格差はたった200円。であるなら中型犬用を購入し2分割して与えるという方法をとることでより費用を抑えることができます。
ただし、飼っている犬が1匹の場合はあまりおすすめできません。なぜなら2分割して与えなかったほうの錠剤は空気に触れたまま次に与える1ヶ月後まで保存する必要があるから。衛生面はもとより成分の変質という点においても気になります。
そのため、分割して与えるのであれば多頭飼いの場合に限るべき。小型犬を2匹飼っているであれば中型犬用を2分割、3~4匹なら大型犬用を4分割して与えると費用をグッと抑えることができます。
本当に分割して与えて大丈夫?
ハートガードプラスのようなお肉タイプのチュアブル錠を分割して与えることに抵抗を感じる人もいるかもしれません。一部には薬の成分が偏っているため分割すべきではないという声もありますしね。
しかしそれは常識的に考えてありえません。
なぜなら一般的な錠剤にしろチュアブルタイプにしろ一つひとつを成形してから薬の成分を注入するような無駄なことはしないからです。
まずは材料を分量通りに混ぜ合わせ、しっかりと攪拌しまんべんなく成分が行き渡ったところで錠剤に成形します。そのためひとつのチュアブル錠の中で成分が偏っているなど考えられません。
仮に偏っていたとしてもそれは微々たるものと考えられます。
とはいえフィラリア予防薬は愛犬の命に関わるもの。どうしても気になるようであれば分割などせずに愛犬の体重に合ったものを与えたほうが精神衛生上良いでしょう。
ネクスガードスペクトラと比較
フィラリア予防薬は複数あれど、多くの動物病院で使用されているのはカルドメックチュアブルPとネクスガードスペクトラです。どちらもチュアブルタイプということで犬が喜んで食べるという点も好評なのでしょう。
ハートガードプラスはカルドメックチュアブルPと同じ商品でありながら安価に購入できますが、実はネクスガードスペクトラも個人輸入で安価に購入できます。
といってもハートガードの2倍ぐらいの価格になってしまうものの、動物病院での処方に比べればはるかに安く済むのも確か。
で、どちらも個人輸入を用いて安く買えるハートガードプラスとネクスガードスペクトラ、ぶっちゃけどっちが良いのでしょうか?
というわけで簡単な比較表を作ってみました。
ハートガードプラス | ネクスガードスペクトラ | |
---|---|---|
成分 | イベルメクチン ピランテル |
アフォキソラネル ミルベマイシンオキシム |
効果 | フィラリア予防 犬回虫駆除 犬鉤虫駆除 |
フィラリア予防 ノミ・マダニ駆除 犬回虫駆除 犬鉤虫駆除 犬鞭虫駆除 |
内容量 | 6個 | 6個 |
価格 | 2,924~3,880円 | 5,438~7,283円 |
先述した通り価格的にはネクスガードスペクトラはハートガードプラスのほぼ2倍。しかしネクスガードスペクトラにはノミ・マダニ駆除という大きな利点があります。ここに価値を見出せるかどうかがカギになるでしょう。
例えばハートガードプラスのほかにノミ・マダニ駆除用としてフロントラインを別途購入しているとすると、6回分で6,000円前後のお金がかかります。ハートガードプラスと合わせると約9,000円ということになるでしょうか。
一方、ネクスガードスペクトラであれば価格自体はハートガードプラスより高いもののフロントラインを使用する必要がありません。トータルで見るとネクスガードスペクトラの方が安く済むのです。
ただしそれは温度が高くノミやダニが活性化する時期に毎月フロントラインを使用すると仮定した話。
都市部に住んでいて草むらなどを歩かせる機会がないのであれば毎月使用する必要はなく、1ヶ月半~2ヶ月に1回でも十分。このあたりは住んでいる地域や愛犬との行動によって判断が分かれるところ。
暖かい時期になったら毎月フロントラインを使用するというのであればネクスガードスペクトラを、フロントラインなどノミ・マダニ駆除薬をあまり使わないというのであればハートガードプラスという使い分けでいいのではないでしょうか。
ハートガードプラスのまとめ
愛犬家にとってフィラリア予防薬は絶対に欠かすことのできない薬です。しかし一方でそれなりの出費になってしまうのも確か。それでなくても犬はお金がかかるため少しでも費用を抑えたいと考えるのは自然なことではないでしょうか。
そんな時に大きな助けになるのがハートガードプラスです。カルドメックチュアブルと同じメーカー、成分ということもあり信頼性に全く問題がなく、しかも価格はカルドメックチュアブルの半額。
これを知ってしまったら利用しない手はありません。
私自身ハートガードプラスの存在を知ってすぐに動物病院で処方されるカルドメックチュアブルから乗り換え、現在は状況に応じてネクスガードスペクトラと使い分けています。もちろん効果に不満は一切ありません。
愛犬にかかるお金が負担になっている、多頭飼いで出費が馬鹿にならないという人はぜひハートガードプラスの使用を検討してみてください。
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