犬が生理(ヒート)になった!その対処法とは?

犬が生理(ヒート)になった際の対処法

私達人間の女性には約1ヶ月に1回生理というものがありますよね。それと同様に犬にも生理が存在します。「ヒート」と呼ばれることも。

とはいえ人間の生理とは異なる点も多く、その対応について困っている人も多いのではないでしょうか。

愛犬に生理が来た場合はどういった対処を行うべきなのか? 何歳くらいまで続くものなのか? また生理(ヒート)を回避するために避妊手術を行った方がいいのかなど、気になる点を深堀していきましょう。

私自身の体験談も併せて載せていますので参考にしていただければ幸いです。

    目次
  1. 犬の生理(ヒート)の特徴
  2. 妊娠可能な時期は人間と異なる
  3. ヒート中の犬に表れる変化
  4. 外出は細心の注意を
  5. 部屋を汚さないための対策
  6. 避妊手術は行うべき?
  7. 犬の生理(ヒート)についてのまとめ

犬の生理(ヒート)の特徴

女性であれば誰しもが馴染みのある生理。犬のヒートも同様に陰部からの出血が伴うため人間のそれと同じような印象を抱くかもしれません。しかし人間と犬の生理の特徴は大きく異なります。

ヒートからヒートまでの期間が長い

人間の生理は一般的に28日周期で訪れますよね。ざっくりと1ヶ月に1度という印象になるでしょうか。しかし犬は違います。

犬の生理は妊娠しない場合は平均して6ヶ月に1度。この期間には個体差があり、5~6ヶ月に1回ある犬もいれば、8~9ヶ月に1度しかない犬もいます。私が飼ったことがある犬の場合、7~8ヶ月に1度というケースが大半でした。

人間に比べ空白期間が長いため、忘れたころに生理がきて焦った…ということがないよう、生理がきた日付をカレンダーや手帳に書いておいた方がいいかもしれません。

生理期間が長い

犬は人間に比べ生理から生理までの期間が長い一方、1回のヒートは長めになる傾向にあります。平均的には2週間程度、早くて10日、遅いと3週間くらい続くという感じになるでしょうか。

人間の生理と同じ感覚で接していると「なんか妙に長いな」と感じることでしょう。しかし犬のヒートは人間に比べ期間が長いため、余裕を持った対応が必要になります。

一生続く

人間の場合50歳くらいで閉経を迎え、以後生理が始まることはありませんよね。いわゆる更年期というものになります。

しかし犬の場合は更年期が存在せず、生きている限り一生続くことになります。

とはいえヒートがあるから高齢になっても妊娠・出産が可能というわけではありません。高齢となる10歳くらいで出産するケースもないわけではありませんが、一般的に犬の出産は5~6歳が限界とされているからです。

ヒートがある間は産ませてもいい…とは考えないようにしてください。

妊娠可能な時期は人間と異なる

犬の妊娠可能期間

人間が妊娠する時期というのは生理から生理の中間付近に訪れる排卵日前後。生理が始まってから14日前後というのが一般的です。つまり生理期間中は妊娠の可能性はほとんどないことになります。

一方、犬の場合はヒートの期間中に交尾しなければ妊娠しません。しかもヒート中であればいつでもいいというわけではなく、その中でも妊娠可能な期間というのは決まっているのです。

それはヒートが始まってから7~10日後。出血が始まってから7~10日は「発情前期」と呼ばれ、オスが近づいてきても受け入れることはありません。

陰部からの出血が始まり7~10日ほどして発情期に入ってはじめてオス犬を受け入れるようになるのです。そのころには陰部が大きく膨らみ出血の程度や量は少なくなる傾向に。

この発情期の期間は出血が始まってから約8~14日後。この期間にオス犬と交尾することで妊娠に至るのです。

生理中はほぼ妊娠しない人間と、生理中に妊娠する犬。万が一のトラブルを避けるためにもこの違いをしっかりと把握しておく必要があります。

ヒート中の犬に表れる変化

ヒートになった犬には多かれ少なかれ変化が訪れます。しかしそれは人間でいう「生理痛」とは異なります。

犬の場合、人間のように下腹部の痛みなどといった特徴的な痛みはないとされますが、やたらと神経質になったり元気がなくなったりといったことは起こり得ます。

また、陰部からの出血を舐め取ろうとする犬が多いため、陰部をしきりに舐めるといった行動はよく見られるでしょう。

マウンティングが始まるケースも

マウンティング…多くの場合オス犬が他の犬や飼い主にしがみつき腰を振る行動を指します。しかしヒート中のメス犬にも比較的みられる行動だったりするのです。

メス犬が他の犬などに馬乗りになり腰を振っている姿はなんとも滑稽な印象を受けることでしょう。

ヒート中のメス犬のマウンティングは発情期と重なることが多いため、性的な欲求によるものと見られています。そしてヒートが終わるとパタッとなくなることが多いという特徴も。

ヒート中のメス犬のマウンティング

私がかつて飼っていたメスの黒パグも発情期なると猫(メス)相手に腰を振っていました。猫は当然のことながら「ヴー」と威嚇していました。

ヒート中にマウンティングを行うかどうかは個体差が大きいものの比較的よく見られる行動。突然のマウンティングに「メスなのに…」とショックを受けないようにしましょう。

外出は細心の注意を

ヒート中に最も気を付けるべきは散歩やドッグランなどに外出する時です。

自分の子孫を残そうという本能が強いオス犬はメス犬の出血の匂いに非常に敏感です。生理の匂いにつられてオスが寄ってくることも十分考えられるのです。

特にオスを受け入れる準備ができている発情期の外出は危険がいっぱい。ちょっと目を離した隙に交尾が始まっていた…なんてことにもなりかねないのです。

またヒート中のメスは気が立っていることも多いため、他の犬とケンカになりやすいという面も。ヒート中の犬の外出は多くのリスクがあると思っておいた方がいいでしょう。

対策としては、犬を放すことも多いドッグランには連れて行かないこと。自分の犬にとっても周囲の犬にとっても良いことなどひとつもないため、ヒートが終わるまでは我慢するようにしましょう。

散歩に関しても無理に行う必要はありません。毎日の習慣になっており欠かすことができないというのであれば、夕方など散歩している犬が多い時間帯や場所は避け、手短に終わらせる方が無難。

望まない妊娠というのは絶対に避けたいところです。

部屋を汚さないための対策

犬の生理で部屋を汚さないために

犬はヒートになると陰部から出血します。多い時はぽたぽた垂れることがありますし、垂れていなくても寝たり伏せの状態になったりすることで床が汚れてしまいますよね。カーペットを敷いている場合は汚れが取れない場合も。

ヒートによる汚れを回避するにはやはりおむつやパンツをはかせるのが一番手っ取り早いでしょう。室内飼いで避妊手術をしていない飼い主さんはそうやって対処している人も多いのでは?

しかしパンツやおむつにはデメリットもあります。それは飼い主が外出している際におしっこをしてしまうと悲惨なことになりかねないという点。

うんちの方は尻尾の穴を大きめにしておけばどうにかなりますが、パンツをはいた状態でおしっこをしてしまうとパンツびっちょり。その状態で家じゅうを歩き回られると…想像がつきますよね。

そのため、トイレに行きそうなそぶりを見せた場合は急いで脱がせる必要が。

また、犬用のパンツやおむつは結構簡単に脱げてしまうという点もマイナスポイント。はかせてちょっと目を離したらいつの間にか脱いでいたなんてこともざらにあります。

結局、おむつやパンツは長時間目を離すことができないのです。私自身もそれが理由で「生理でちょっと汚れるくらい仕方ないか」と諦め、何もはかせないで過ごさせるようになった経験が。

外出時はケージに入れる

ヒートによる出血でどうしても室内を汚したくないという場合は、人間が家にいる時はおむつやパンツを、外出する際はケージに入れるという手も。

普段から人間が出かける時はケージに入れる習慣がある場合はこれが最も確実なのではないでしょうか。

ただし、普段から外出時も家の中を自由に歩き回ることができる環境にいるようなケースだと、ヒート中に突然ケージに入れられることに犬がストレスを感じてしまう場合も。

このあたりは普段の環境と相談といったところでしょうか。

汚したくないものに布などを敷いておく

犬を飼っている以上床が汚れるのはある程度想定内だと思います。それでもなお出血で汚したくないカーペットやラグにはヒート期間中のみ適当な布を敷いておくという方法もあります。

パンツやおむつを使用して1日中気を使うくらいなら、私はこちらのほうが精神衛生上良いような気がします。

避妊手術は行うべき?

犬のヒート(生理)が起こるのは子宮があるからであり、避妊手術を行えばヒートの煩わしさから解放されるメリットがあります。

それ以外にも子宮の病気を回避できる、早期に行うことで乳がんのリスクを大幅に減らすことができるなど複数のメリットが。

一方で全身麻酔による障害・死亡リスクや尿漏れが起きやすいというデメリットも。またそもそも動物としてあるべき子宮や卵巣を取ってしまうことに抵抗を感じている飼い主や獣医師が存在するのも確か。

卵巣は女性ホルモンを分泌する臓器であるため、これを摘出するということは人間でいう更年期のような状況になってしまう可能性も。犬は不調や不定愁訴を訴えることができないため飼い主が気付かないだけで。

私自身は避妊手術をした犬、しなかった犬両方飼ったことがあり、その中で子宮の病気になった犬が1匹いました。

その事実だけを見れば避妊手術を行った方が良いような気もしますが、避妊手術を行った犬は目に見えないホルモンバランスの乱れなどで寿命が縮まってしまっていた可能性も否定できないわけです。

少なくともヒートの煩わしさのみを理由に行うべきではないと考えています。子宮や乳腺の病気のリスクが大幅に減少すること、本来あるべき臓器を摘出しホルモンバランスが乱れてしまうことなど総合的に判断するようにしてください。

犬の生理(ヒート)についてのまとめ

6~8ヶ月に1回ほどしかこないものの、それでも飼い主にとって犬のヒート(生理)は煩わしいというのが実情だと思います。そのため、避妊手術にメリットを感じるのであればこれを行うのも立派な選択でしょう。

一方、子供を産ませたい、犬本来の体を維持したいと考えているのであれば、上手にヒートと付き合う必要があります。

個人的には犬を飼っている時点で家具や建具の汚れや傷は仕方がないことと割り切っているため、ヒートの出血程度の汚れはあまり気になりませんが…よほど長時間放置しない限り拭けば概ね落ちますしね。

そんなことより散歩など犬との外出に細心の注意を払いたいところ。望まない妊娠の先には不幸しか待っていません。

そう考えるとやはり避妊手術は行うべきなのかもしれませんね。

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